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金剛禅総本山少林寺 横浜本郷道院

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斎藤さんインタビュー

「少林寺拳法の本当の魅力は、単なる武道やスポーツではない。」

そう語る斎藤さんは、大学時代に少林寺拳法と出会い、長年にわたり仕事や家庭と向き合いながら修練を続けてこられました。
発電所建設や原子力関連事業に携わる土木技術者としての責任ある仕事、20年に及ぶ休眠期間、そして道院への復帰――。

人生のさまざまな苦難や葛藤を経験したからこそ辿り着いた、“人としての成長”という少林寺拳法の本質。
今回のインタビューでは、斎藤さんがこれまでの人生で感じてきた「強さ」と「修行」の意味について、率直な言葉で語っていただきました。

― まずは簡単に自己紹介をお願いします。

斎藤久と申します。1978年4月に大学の少林寺拳法部へ入部し、4年間にわたり修行に励みました。
卒業後、数ヶ月間は山梨県の甲府の道院で修練していましたが、しばらく休眠期間がありました。その後、2002年頃に横浜本郷道院(先代の道院長)で再開し、現在に至ります。

― 差し支えなければ、ご職業も教えてください。

土木技術者として、35年間電力会社に勤務しました。発電事業(火力・水力・地熱発電所の建設・保守や原子力廃炉作業など)や、ガス事業(営業、設備建設など)に従事してきました。
定年後は子会社を経て、3年前からは建設会社の技術顧問として、火力・原子力関連業務のアドバイザーを務めています。

― 少林寺拳法を始めたきっかけを教えてください。

一言で言えば、肉体的・精神的に強くなりたかったからです。
私は生後10か月の頃に大病を患いました。私自身の記憶は全くありませんが、医者からは「覚悟しておいてください」と言われ、両親は手術の翌日にお葬式の用意をしていたと聞いています。そんな私の命をつないでくれた両親には、本当に感謝しています。
小学校低学年までは運動を控えて育ったため、病弱で精神的にも弱い面がありました。「なんとか自分を変えたい」という思いから、苦手ながらも様々な運動に挑戦してきました。
小学校高学年で少年野球(長嶋・王全盛期)、中学ではソフトテニス、高校では硬式テニス(マッケンロー、ボルグ全盛期)などを経験しました。唯一誇れる成績は、硬式テニスの神奈川県大会ベスト8です。あと一つ勝てばインターハイ出場というところでしたが、惜しくも逃してしまいました。
大学では、映画『黒部の太陽』の影響を受けて発電所の建設に憧れ、土木工学科を専攻しました。ただ、将来の仕事場となる工事現場について考えた際、現場では喧嘩や近隣(いわゆる”やばい系”)とのトラブルが絶えないのではないかと懸念しました。
こうした厳しい状況を乗り越えるためには、これまでのスポーツの延長では通用しないと考え、もっと根本的に強くなろうと思い少林寺拳法を始めました。
数ある武道の中で少林寺拳法を選んだ理由は、映画『燃えよドラゴン』を観た影響と、武道の初心者でもこれなら始められるのではないかと思ったからです。

― 好きな技や稽古内容はありますか?

若い頃とは異なり、今はこれといって「一番好きな技」や「特定の練習」があるわけではありません。この歳になると、どの練習も肉体的に衰え痛いですから(苦笑)。

強いて挙げるとすれば、「大会への参加」と「後進との稽古」でしょうか。指導というほど大それたことはしていませんが、一緒に技を掛け合い、「どうすればもっと無理なく技をかけられるか」を模索する時間が楽しいですね。そうした活動を通じて、自分の成長を客観的に俯瞰できるからだと思います。

以前はできなかった技が形になったときや、新たな発見があったときには、何ものにも代えがたい喜びを感じます。もちろん、修行ですから成長と躓きの繰り返しではありますが、その過程も含めて楽しんでいます。

― 少林寺拳法を続ける中で難しかったことは?また、どう乗り越えましたか?

振り返ってみると、継続する上で最も難しかったのは「遊び・仕事・家庭」との両立でした。特に若い頃は遊びたい盛りで、カラオケが流行り始めた時期だったこともあり、お酒を飲んで騒いだりと、稽古の時間を確保するのが難しかったです。同時に、効率的だったかはともかく、仕事もがむしゃらにこなしていましたね。

その後、家庭を持ち子どもが生まれると、休日は子どもとの時間を最優先にしていたため、夜には体力の限界を迎えていました。今思えば「時間がない」というのは単なる言い訳です。僅かな時間でも、作る気さえあればいくらでも作れるのですから。

私の場合は、約20年間という長期間の休眠を経てからの再開ですので、困難を「克服」したというよりは「挫折からの復帰」と言った方が正しいかもしれません。

生きていれば誰しも、さまざまな悩みやストレスを抱えるものです。社会に出て一定の経験を積むと、好きなことをしていればよかった若い頃とは違い、立場的な責任や重圧(部下の育成や上司への対応、将来への不安など)が肩にのしかかってきます。また、これまでの不摂生がたたり、健康面に不安が出始めるのもこの時期です。
そうした悩みや健康の不安に直面したとき、それらに対峙するには「自分自身がまだまだ未熟である」と痛感したことが、道院へ復帰する大きなきっかけとなりました。

この後の質問にも関わってきますが、少林寺拳法の本当の素晴らしさは、単なる武道やスポーツの枠に留まらない点にあります。修行を通じて「自己確立(己こそ己の寄るべ、己を措きて誰によるべぞ、まこと得がたき寄るべなり)」と「自他共楽(半ばは自己の幸せを、半ばは他人の幸せを)」という、人としてのあり方を両面から学べることこそが、最大の魅力だと感じています。

― 少林寺拳法を続けてよかったと感じることはありますか?

少林寺拳法を続けてきて何より良かったと感じるのは、さまざまな苦難を乗り越える力が養われ、それが結果として社会における自身のキャリア形成にも大きく結びついたことです。修行を通じて、今も自分自身が成長し続けていると実感できることが、何よりの財産です。

― 少林寺拳法から学んだと感じることはありますか?

先日、昇段試験に向けて改めて教範を読み返しました。その際、自分が歩んできた苦難の克服や道のりを振り返り、それらが釈尊の教えである「八正道」の実践そのものであったと気づかされたのです。

「正しい見解」「正しい判断」「正しい語り」「正しい行動」「正しい生活」「正しい努力」「正しい信念」「正しい精神統一」。

これら八つの教えを意識しながら、金剛禅の修行法である「内修(精神)」と「外修(肉体)」の両面を磨いてきたことが、私の人生における苦難を乗り越え、成長へとつなげてくれたのだと確信しています。

― 横浜本郷道院の雰囲気について教えてください。

一言でいえば、ここは「アットホーム」な場所です。一度離れても、また帰りたくなる。そんな心地よさがあります。

この素晴らしい雰囲気は、先代道院長の導き、そして現道院長のお人柄と修練の深さ、さらには諸先輩方の豊富な人生経験が積み重なって育まれてきたものだと感じます。本当に居心地が良く、最高の道院です。

― 稽古以外で印象に残っている出来事はありますか?

イベント面では、地域のお祭りなどで一般の方々に護身術を披露した経験が強く心に残っています。
また、大会においては、同じ道院の優秀な若手拳士と共に全国大会へ2度(日本武道館・青森)出場できたことが、私にとって何よりの財産であり、素晴らしい経験となりました。

― これからの目標を教えてください。

新年一番の目標に掲げていた昇段試験には、今年の3月に無事合格することができました。現在は、次の新たな目標を模索しているところです。
合格したとはいえ、まだまだ自分の実力は十分ではありません。これからも精進を重ね、一つひとつの技をより深く、確実に磨き上げていくことが、当面の変わらぬ目標ですね。

― 最後に、これから少林寺拳法を始めたい方へメッセージをお願いします。

心身の健康や護身術、そして精神的な強さを求めている方にとって、少林寺拳法は素晴らしい道しるべとなります。横浜本郷道院は、特にその修行に最適なアットホームな道院です。

在籍する拳士は年齢層も幅広く、社会で活躍する経験豊かなリーダーも多いため、技術だけでなく人生の知恵を分かち合える場所でもあります。

青少年からご年配の方まで、どなたでも大歓迎です。ぜひ一度、見学や体験にお越しになり、道院の空気を肌で感じてみてください。皆様と一緒に汗を流せる日を楽しみにしています。

最後までご一読いただき、誠にありがとうございました。

記事作成日:2026年5月23日

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